トラックドライバーが辞める理由は、大きく「労働環境」「待遇」「人間関係」「健康」「将来性」の5つに分かれます。
私は運送会社の社長として15年間、100人以上のドライバーの退職を見てきました。「もっと早く辞めればよかった」と後悔する人もいれば、「辞めなくてよかった」と感謝される人もいます。
この記事では、ドライバーが辞める本当の理由15個を採用側の視点で解説します。あなたが「辞めるべきか、続けるべきか」を判断する材料にしてください。
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トラックドライバーが辞める理由15選
15年間で見てきた退職理由を、多い順に5つのカテゴリに分けて解説します。
【労働環境】拘束時間が長すぎる
辞める理由で最も多いのが、拘束時間の長さです。
長距離ドライバーの場合、出発から帰庫まで16時間を超えることも珍しくありません。2024年問題で改善が進んでいるとはいえ、まだ守れていない会社も多いのが現実です。
うちでも朝3時出発、帰庫18時という日がある。改善基準告示は守っているけど、拘束時間の長さで辞めていくドライバーは一番多い
翔平【労働環境】運行スケジュールが過酷
拘束時間だけでなく、運行スケジュールの厳しさも大きな退職理由です。
高速代を節約するために下道を使わされたり、到着時間が異常に厳しかったり。無理なスケジュールは事故のリスクにも直結します。
【労働環境】休日が少ない・取れない
週休1日以下の会社は、いまだに存在します。
人手不足を理由に「休みたいけど休めない」状態が続くと、心身ともに限界が来ます。家族との時間も取れず、プライベートが崩壊していく人を何人も見てきました。
【待遇】給料が仕事量に見合わない
手取り20万円台前半で、拘束16時間。時給に換算すると最低賃金を下回る会社もあります。
ドライバーの平均年収は約450万円ですが、会社によって200万円以上の差があります。同じ仕事をしているのに、会社が違うだけで年収が全然違うことに気づいて辞める人は多いです。
面接に来る人に前職の給料を聞くと、同じ4トン配送なのに月5万円以上安い会社から来る人がいる。それは会社が悪い、あなたの問題じゃない
翔平【待遇】給料の遅れ・未払いがある
給料が遅れる会社は、今すぐ辞めてください。
これは経営が危険な状態のサインです。「来月まとめて払う」と言われても、そのまま倒産するケースを実際に見ています。給料の遅れは、会社の倒産前兆の一つです。
【待遇】昇給・賞与の見込みがない
何年働いても給料が上がらない。賞与もない。そんな会社で将来を描けるはずがありません。
ドライバーの給料は「走ってなんぼ」の会社が多く、年齢を重ねて体力が落ちると収入も下がる構造です。昇給制度がしっかりしている会社を選ぶことが大切です。
【人間関係】パワハラ・いじめがある
配車係や先輩ドライバーからの怒鳴り・嫌がらせは、いまだに残っている業界です。
「昔はもっと厳しかった」と我慢を強いる文化がある会社は危険です。パワハラが原因で辞める人は、面接のときに不安そうで疲れていてオドオドしている。すぐにわかります。
うちに面接に来る人で、前の会社でパワハラを受けていた人はすぐわかる。目が死んでいる。そういう人には「もう大丈夫だから」と最初に伝えるようにしている
翔平【人間関係】法令違反を強制される
過積載、速度超過、運行記録の改ざん。会社が法令違反を強制してくるなら、辞める理由として十分です。
違反で捕まるのはドライバー本人です。「会社に言われたから」は通用しません。免許を失うリスクを負ってまで、その会社にいる価値はありません。
【人間関係】プライベートが確保できない
急な配車変更、休日の呼び出し、自分の時間がまったくない。
家族との時間が取れず離婚に至るケースや、趣味も友人関係もすべて失ってしまう人がいます。仕事のために人生を犠牲にする必要はありません。
【健康】腰痛・持病が悪化した
長時間の座り仕事と荷物の積み下ろしで、腰痛を抱えるドライバーは非常に多いです。
腰痛だけでなく、不規則な生活による高血圧・糖尿病のリスクも上がります。体を壊してからでは遅い。健康に不安を感じたら、働き方を見直すタイミングです。
【健康】事故のリスクが怖い
大型トラックの事故は命に関わります。自分だけでなく、相手の人生も壊してしまう可能性がある。
疲労や睡眠不足で運転するのが怖い、ヒヤリハットが増えた。そう感じたら、それは体からの危険信号です。
事故を起こしてから辞めるのでは遅い。「怖い」と感じること自体が、自分を守るセンサーだと思ってほしい
翔平【健康】体を壊して働けなくなった
椎間板ヘルニア、脳梗塞、心筋梗塞。ドライバー特有の健康リスクで倒れる人は少なくありません。
体を壊してからの転職は選択肢が大幅に狭まります。「まだ大丈夫」と無理を続けた結果、取り返しのつかないことになる前に行動してください。
【キャリア】運転に向いていないと感じる
運転が苦手なのに無理して続けている人がいます。向いていないことは恥ずかしいことではありません。
ただし、3ヶ月未満で「向いていない」と判断するのは早すぎます。半年から1年続けて、それでも苦痛なら向いていない可能性があります。
【キャリア】免許停止・取消のリスク
違反点数がたまって免許停止や取消になると、ドライバーとしての仕事は一瞬で失われます。
特に会社から速度超過を暗に求められる環境では、免許を失うリスクが高まります。自分の免許は自分で守るしかありません。
【キャリア】業界の将来性に不安がある
自動運転、物流の効率化、2024年問題。「この仕事はいつまで続けられるのか」という不安を抱えるドライバーは増えています。
結論から言うと、ドライバーの需要がなくなることは当分ありません。ただし、低賃金で使い捨てにする会社は淘汰されていきます。生き残るのは、ドライバーを大切にする会社です。
辞めるべき人と続けるべき人の見極め方
15の理由を見て「自分も当てはまる」と感じた方も多いと思います。ここからは、本当に辞めるべきかどうかの判断基準をお伝えします。
- 給料の遅れ・未払いが発生している
- 法令違反(過積載・改ざん)を強制される
- パワハラ・いじめが日常的にある
- 体調を崩しても休ませてもらえない
- 労災を隠せと言われたことがある
- 入社して3ヶ月未満(まだ慣れていないだけの可能性)
- 上司や先輩に相談できる環境がある
- 会社が改善に取り組んでいる(2024年問題対応など)
- 不満はあるが給料・休日は確保されている
- 運転自体は嫌いではない
「辞めるべきサイン」に1つでも当てはまったら、我慢する必要はない。あなたが悪いんじゃなくて、会社が悪い。会社を変えるだけで人生が変わる人を何十人も見てきた
翔平辞めると決めたらやるべき3つのステップ
「辞める」と決めたら、感情的に退職届を出す前にやるべきことがあります。順番を間違えると損をします。
ステップ1:転職先を確保する
辞める前に、次の会社を決めてください。これが最も重要です。
「辞めてからゆっくり探す」は危険です。収入が途絶えると焦って条件の悪い会社に入ってしまい、同じ失敗を繰り返します。
運送業界に特化した転職エージェントを使えば、在職中でも効率よく転職活動ができます。求人の質も、ハローワークや求人誌とは段違いです。
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ステップ2:退職を会社に伝える
次の会社が決まったら、退職の意思を伝えます。法律上は2週間前に伝えれば退職できますが、引き継ぎを考えると1ヶ月前がベストです。
「辞めさせてもらえない」「引き留めがしつこい」場合は、退職代行サービスを使う方法もあります。弁護士法人が運営するサービスなら、会社との交渉も任せられます。
ステップ3:円満退職を目指す
運送業界は狭い世界です。できるだけ円満に退職することをおすすめします。
- 引き継ぎは丁寧に行う
- 退職理由は「一身上の都合」でOK
- 会社の悪口は言わない
- 有給休暇はきちんと消化する(権利です)
よくある質問
トラックドライバーを辞めた後のおすすめの仕事は?
ドライバー経験を活かせる仕事として、配車係・運行管理者・倉庫管理・配送センターのスタッフなどがあります。大型免許やフォークリフト免許を持っていれば転職先の幅は広がります。
辞める前にやっておくべきことは?
最も重要なのは「次の転職先を決めてから辞める」ことです。在職中に転職エージェントに登録し、求人を比較検討しましょう。有給休暇の残日数、退職金制度、健康保険の手続きも事前に確認しておくとスムーズです。
何年目で辞める人が多い?
入社後3ヶ月以内と、3年目前後に退職が集中します。3ヶ月以内は仕事とのミスマッチ、3年目前後は「このまま続けていいのか」というキャリアの悩みが主な理由です。
退職代行を使っても問題ない?
法的に問題ありません。特に「辞めさせてもらえない」場合は、弁護士法人が運営する退職代行サービスが確実です。費用は2万~5万円程度で、即日退職も可能です。
未経験で他の業種に転職できる?
可能です。ドライバー経験者は「体力がある」「時間管理ができる」「一人で業務を完遂できる」と評価されやすく、製造業・建設業・警備業などは未経験でも採用されやすい業種です。
まとめ:辞める理由があるなら、次の一歩を踏み出そう
トラックドライバーが辞める理由15選を、現役社長の視点で解説しました。
辞めること自体は悪いことではありません。大切なのは「辞めるべき状況かどうか」を冷静に判断し、次の行動を計画的に進めることです。
- 給料未払い・パワハラ・法令違反がある → 今すぐ辞めるべき
- 不満はあるが改善の余地がある → 転職活動だけ始めておく
- 入社3ヶ月未満 → もう少し様子を見る
どの段階にいても、転職エージェントに登録しておくことは損になりません。いつでも動ける準備をしておくだけで、気持ちに余裕が生まれます。
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辞めること自体は負けじゃない。むしろ、自分の人生を自分で選び直す勇気だと思う。あなたに合う会社は必ずある
翔平



